カオソック地区の脅威

森林伐採
タイの空中写真によると、1961年にはタイ国の54%が森林に覆われていましたが、2005年には28.4%(145200km2)に減少し、原生林はこのうちの44.4%(64 510km2)となりました。 森林環境は年々減少傾向にあり、2000年から2005年の間には一年ごとに588km2 、0.4%の減少を続けており、この統計も1989年の森林伐採禁止令の制定前の0.6%減少に比べればほんの少しではありますが、減少が食い止められていると言えます。

不法な森林伐採
1989年に森林伐採禁止令が制定されたにも関わらず、1990年から2005年の間にタイは、森林の約9%、約14000km2が失われています。調査では木材が伐採され、ミャンマーへの密輸が行われ、ミャンマーの木材として、もしくは、1997年から1998年の間、メーホーソン県のサラウィン国立公園の30%の木材として登録されました。この産業は力を持った軍や政府に関係者によってコントロールされています。林業の職員たちは、遠隔地での不法な仲介材木業者により雇われた暴力団関係者への伐採禁止令の取り締まりは難しいとしています。更にタイのいくつかの村では伐採による林業により、生計を立てている人々がいるのも事実です。

農園
1990年から2005年の間に、4600km2の農園がタイに造成され、2005年時点では、全体としては30 990km2、農園はタイの全森林面積の21.3%を占めていました。
森林の占有地の定義より農園が考えられるようになってから、実に農園造成が難しく、どんなに多くの野生の生息地が失われるのか、計り知れないものがあります。ゴムの木のような農園はそれらが倒され、更に植樹され、35年分もの経済効果となります。農園の境界線を自然の境界線へと不法に侵食させることは、今日ではとても容易いことと言えます。

土壌の侵食
多雨林は土に直接少量の日光をあて、細塵をまれに乾燥させることで、土壌の侵食を最小限にとどめることができます。更に空を覆う緑は、土に直接的にあたる雨を防ぐことで、数メートルから数センチの間で土壌の侵食を防いでいることになります。この天蓋がなかったとしたら、その雨は何千メートルと土壌を侵食することでしょう。

密漁
2007年の3度にわたり確認された最新の資料によると、タイに認可された国立公園には2000頭の野生のトラが生息するとしています。トラは主に中国にて、彼らの皮や体の一部を薬として、お土産物の市場での販売のために、密漁され野生で生息する数の減少が最も深刻な問題となる動物の一種です。問題の一つとしては、当局がトラの売人に少額の罰金を払わせ、彼らが監獄に入ることを拒むという現状です。最も厳しい刑罰は 、3年間の禁錮と40000バーツ(約14000円)となります。しかしながら、50から100人の逮捕者からはたったの2000バーツ、約666円程度の罰金が科せられるのみというのが事実です。世界野生動物基金は、絶滅の危機に瀕している動物の不法取引は、少なくとも、年間2億バーツ、約6千7百万円にはなっていると見積もっています。密漁中、象牙、ワニ、トラは、全体の約85%を占めています。

不法な観光業
公式の統計によると、2007年度にカオソック国立公園を訪れた観光客は82020人とされています。カオソック国立公園への許容量は未だ知られておらず、もしあまりにも多くの人々がカオソック国立公園を訪れた場合には、野生生物が減少する危険性があります。もちろん旅行者は歓迎され、入場料が設定されてからは、事実、公園の修復やこの地域の保護に使用されています。