エレファントヒルズ1

私の働くエレファントヒルズは、バスルームを有するラグジュアリーテントと呼ばれる宿泊施設での滞在とともに各種アクティビティーを提供するツアー会社となります。私はそこで日本のマーケットを預かる者として営業、ご予約からお客様のお世話兼日本語ネイチャーガイドとして奮闘する毎日です。
今回はお二人のオーストラリアからいらした日本人のお客様を迎え、ジャングルサファリ1泊2日の旅にご同行させて頂きました。
パトンのホテルへお出迎え、待ち合わせの場所に着くとお客様がまだいらっしゃらないご様子でしたので、フロントでお客様のお部屋にお電話したい旨を伝えると、フロント横に内線専用の電話があるとのこと、電話に向かって数歩足を進めた途端に後ろから元気な声で私の名を呼ぶ声がしたので、振り向くと、そこには私のお客様らしきお二人が立ってらっしゃいました。なんだか不思議なもので、今まで一度もお会いしたことがないのに、初めて会った感じのしないお二人に、大変親しみを覚え、楽しい旅になることを直感しました。
それからバスにのり、プーケット島から本土へ入り、パンガ、スラタニーと抜け、カオソックへ向かいました。途中、カフェによりいつものようにトイレ休憩とお茶を楽しむ予定でしたが、その日はタンブンにてカフェがお休みでしたので、トイレだけ借りることにしました。その日はタイの人々はお仕事をお休みし、お寺へ参拝に行く日で、日本のお盆の様にご先祖様が各お寺へ帰ってくる日だそうです。特に、地獄に落とされた人々は閻魔様より地獄の苦しみから解放される唯一の日となり、地獄の底から地上へ這い出してくるそうです。そのご先祖様の姿はみんな縦にひょろ長く、子孫にあたる人々が持ち寄るお供えものを貰って、また地獄に戻って行くそうです。万が一、子孫がお菓子などの食べ物をお寺へ持ってきてくれなかった場合は、枯れ草などを掴み、帰り道々、子孫の不幸を唱えて帰るそうで、その後子孫にその不幸が訪れると言われています。なんだかすごく恐ろしいお話ですが、タイで代々伝わるお話だそうです。お寺にお供えものを持って参じなかった私は、この話を聞いた時、あまりの恐ろしさに鳥肌が立ってしまいました。