カオソック国立公園の土壌

科学者はかつて肥沃な土地として熱帯雨林の植物群を考えていましたが、雨は全ての落ち葉などの地上の有機物質までも流し、水分は酸性と変化します。その酸は、土に含まれるミネラルを溶解、分解させます。 以上のことから‘oxisols’ として知られる赤土が多くの鉄分(Fe)とアルミニウム酸化物と低い珪酸分(SiO2)を含んでいると言えます。熱帯雨林の植物は土壌自身がもともと持っている微量の腐朽葉物からの養分を得ています。
カオソック国立公園は40 % の山麓の丘、27 % の多雨林の平野、15 % の石灰岩に自生する植物、15 % の低地低木、3 % の熱帯雨林( 600-1000 m)から成り立っています。
この地域の熱帯雨林は、1億6000万年以上以前より続く、タイでは特に赤道直下に残る世界最古のジャングルとなります。この地域の気候は陸が比較的狭い上に両側を海に挟まれているため、比較的氷河期の影響を受けることなく、 地球上の他の地域では干ばつなどにみまわれた時でさえ、カオソック地区は熱帯雨林を存続させるのに十分な降水を保ち続けました。
動植物の多様性にいたっては、氷河期の時期にマレーシアやボルネオとインドネシアの島々が陸続きになるまで、海面が下がったために、この時期に多くの有機体の基礎を形成させ、発展させていきました。
カオソックには通常の熱帯雨林と常緑の熱帯雨林の両方があり、1ヘクタール(10,000m²)の土地に200種の異なる花々が生息すると言われています。
カオソックはカースト地形の石灰岩の岩山で知られ、その地域のほとんどが海抜200メートル、標高平均400メートルとなり、カオソック国立公園の中で最も高い山は960メートル(日本では葛城山、丸山、日隠山登山口など)にもなります。
野生動物の生息が確認されているものとして、哺乳動物が18種、鳥類311種、コウモリ38種、爬虫類(未確認)、昆虫類(未確認)が上げられます。